香水はどうですか

〜惹きつけ、虜にするもの〜

 Gallery  店主のつぶやき

 百人百様でしょうね。(Blog2/7『香水はどうですか。』加筆・修正)


No.5  ←・・これじゃおかしいですね。ベジはM.Mと同じ香りなのか?(笑)
 り無:「よよよよよ夜は何を着ておやすみに?」(緊張と興奮でどもる)
 ベジ:「?シャネルの5番だが」
 り無:「狽ヲっ」
 ベジ:「なんだ?地球じゃそうするものだとあの女が言ってたぞ」
 ・・ベジが素直に地球のやりかたに馴染むかどうかはともかく、
 それはそれで結構鼻血ブーかも・・・


 マリリン・モンローが「私はシャネルの5番を着て寝るの」と発言して (なんとウィットに富んだ台詞でしょうか) かの香りを世界的大ヒットに導いたことは有名ですが、No.5がある程度以上の年齢の男性方にとって特別な香りであるというのは、彼らの心にM.Mの香りとして刷り込まれているせいなのかもしれません。
 最近ある方にこの香りを贈って頂いたのですけれども、昔マフラーに付けて使っていたことを懐かしく思い出しました。あれって直接肌に乗せるとちょっと変なニオイになるんですよね(私だけ?)。香り自体は大好きなのですけど・・(日本は湿度が高いので、この香りが活きないのだそうですね。パリの乾いた空気の中ではすばらしいと聞き及んでいますが)。

 ブルの香水に関しては、ベジブラーの方々でも『使っている派』と『使っていない派』に分かれている様子です。使ってるだろうという方でもベジは彼女の肌そのものの香りを好むので、彼の前では付けないだろう、という方なども。店主は、使ってないというのはいかにも寂しい(&もったいない)気がするので、使用しているだろう派です。ベジはね、付けてても付けてなくても彼女だったらなんでもいいんじゃないだろうか、と思っています。
 ここからは本当に意見が分かれてくるだろうと思うのですが、使用しているとすると、彼女はどんな香りを纏っているのでしょう。

 1.フローラル (フェミニン・優雅・自然)
 2.フルーティ (甘い・ロマンティック・フレッシュ・瑞々しい)
 3.シトラス  (爽やか・フレッシュ・瑞々しい)
 4.グリーン  (ユニセックス・活動的)
 5.ウッディ  (深み・落ち着き・繊細・上品・フォーマル)
 6.モッシー  (渋み・控えめ・不思議)
 7.オリエンタル(セクシー・刺激的・重厚な甘さ・個性的・神秘的)

 前面に押し出される香調としては、ざっとこんなところでしょうか。実際にはこれらを複雑に絡めあわせて一つの香りを組み立ててゆく訳ですが(あとレザーやタバック(タバコ)もありますが、女性用には微量にエッセンスとして使われる場合がほとんどだと思いますので、外しました)。形容に関しては、一般的にこのようなイメージを持たれているだろうというものをピックアップしています。

 彼女が自らの香りとして常用するものとしては、1〜3が前面に押し出されてくるものなどはちょっと物足りないような気がします。
 イメージですが、名香『夜間飛行』などどうでしょう。店主自身はこの香りを使用した事が無く、本当に(他人様から受ける)イメージでしかないのが辛いところですが・・別名を『冒険者の香り』というのだそうです。テグジュペリの冒険と勇気を讃えてこの名を冠したのだとか。スパイスの効いた香調は、冒険者の中の冒険者たる彼女にこそふさわしいのでは (しかし日常的に使用するには少し重いような気がします)。
 あとグリーンノートの類になるのだと思うのですけど『イヴォワール(象牙)』なども普段使いに良さそうです。健康的で自信家で明るくてセクシーなブルに(うちのはそうでもないですが)よく似合いそうだなと思います。これは店主も昔使っていたんですが (まああの、不健康で暗くて色気の無い店主ですが 笑) ミドル〜ラストがちょっと不思議な雰囲気で良いんですよね。
 クロエの『ナルシス』であるとかパトゥの『JOY』、サンローランの『パリ』のような華やかさの体現といった香りも、自身が華やかなひとですから、こなしてくれるに違いありません(店主は、パトゥであれば『ミル』、ローズが基調の香りであれば『ナエマ』の方が好みではありますが・・)。

 古典的名香たち(比較的新顔のものも混ざってますが)を例に考えてみましたが、実はセル編後(ブウ戦前後)の彼女の香りとして、店主が個人的に「これだな」と感じているものがあります。
 ディオールの『DUNE(砂丘)』なんですが、御存知でしょうか。奥行きがあるのに透明感があり、官能的でありながら癒される。不思議な香りです。作品の中で一度彼女の纏う香りについて触れた事がありましたが、その「透明な花のような、穏やかで温かな香り」とは、これをイメージして書いたものです。
 近年は様々な流通ルートが開拓されて廉価なものが出回っており、消費者としては有難い限りですが、この香りが世にデビューした90年代初頭は、全般的に香りは今より高価なもので、DUNEも例に漏れませんでした。それだけに、美しいフォルムのボトルの中、琥珀色のきらめきがもたらすイマジネーションの世界は、広く深く、豊かだったなと感じています。

 M.Mの後日談。
 件の台詞でCHANELは大儲けしたものの、世の女性達がこぞって裸で眠るようになった為に大変な損害を被ったのは、下着のメーカーでした。彼らに抗議されて困った彼女は、言われるがままに自らのキスマークを提供し、それをちょうど良い場所にプリントした男性用下着が飛ぶように売れた事で、メーカーは危機を凌いだのだとか。(←当店の拍手絵のネタにもなりました 笑)
 店主が昔、ELLE誌で読んだ話です。単なる伝説なのかもしれませんが、如何に彼女に影響力があったかを示す良いエピソードなのではないでしょうか。

 あれ、またシモネタで終わっちゃった(笑)。